世間はソチ五輪まっさかりですが、
人知れず錦織選手がテニスの世界サーキットで奮闘しています。
錦織選手は現在ランキング16位。でも来週には19位に落ちてしまいそうです。
テニスのランキングは世界的に行われるスポーツの中でも、
かなり実力を反映したものだと言われています。その理由を知ってもらうために
なんとなくテニスのランキングの仕組みをざっくり解説してみようと思います。
(細則を大幅に省いたざっくり説明なので、あんまり突っ込まないでください!!)
男子プロテニス協会(ATP,Association of Tennis Professionals)の大会は
以下のように分類されています
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:優勝,準優, SF, QF,R16,R32
グランドスラム(GS):2000,1200,720,360,180, 90,45,10 全豪・全仏・ウィンブルドン・全米
マスターズ1000(MS):1000, 600,360,180, 90, 45 全9大会
ATP500シリーズ : 500, 300,180, 90, 45, 20 今年は11大会
ATP250シリーズ : 250, 150, 90, 45, 20 30-40大会くらい
チャレンジャー(CH):優勝で125-80
フューチャーズ :優勝で35-18
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こんな感じです。
ATPにおいて「ツアー」といういわゆる公式戦的な扱いをされるのはATP250までです。
別にチャレンジャー以下がエキシビジョンというわけではなくて、
サッカーのJ1,J2というか、競輪のS級とA級みたいなもの、といえばいいでしょうか。
プロ同士の対戦成績としてカウントされたり、「ツアー○勝」とか言われるのがATP250から、
ってことです。
で、ATPランキングは向こう一年間で稼いだポイント(これはCH以下でもOKです)の
上位18大会で決定します。このへんもなんか競輪っぽいですね。
ところがここで重要なルールがあります。
年末のランキングの上位30位までの選手には、次の年に特権と義務が与えられます。
まず特権ですが、大会の締切までに出場希望すれば、
全ての大会に予選なしで出場できる権利が与えられます(Direct Acceptance,DA といいます)
ATPツアーは基本的にオープンなのですが、出場希望者が多ければランキング上位が優先されます
32人の大会で、大体24人くらいが予選なし、3人がワイルドカード、残りが予選枠、なので、
どんな大会でも自動的に24人枠に入れるのは大きいです。
ところが義務の方がなかなか厳しい。
この上位30位までの選手は、以下の大会に出場する義務があるのです。
・グランドスラム4大会
・マスターズシリーズ8大会(モンテカルロは除外)
・ATP500のうち4大会
さらに、GSとMSはどんなに点数が低くても、また出場しなかったとしても
ランキングの上位18大会にカウントされてしまうのです。(出場しなければ0点です)
(ATP500は4大会以上出れて上位がカウントされますが、
3大会しか出場してなければ1大会分0点扱いになります)
つまり上位30位までの選手はGS/MSの12大会には基本的に全部参加するわけです。
ATP500に関しても4大会出場義務があるので、かなりのメンバーが参加します。
これでわかってもらえたと思いますが、
これだけ何度も同じメンバーと戦って、それでランキングを作っているわけですから、
かなり精度の高いランキングになるのも道理、というわけです。
実際、上位30位に入った選手の中には、一旦ランキングを落とす場合もあります
(対戦相手の比較的楽な大会で稼ぐ方がポイントは稼げたりします
チャレンジャーしか出場しないでランキング60位くらいになる、なんてこともわりとあります)
冒頭で錦織選手が今週16位で、来週には19位に落ちてしまいそう、という話をしましたが、
実は錦織選手は先週同じ大会で去年今年と2連覇を果たしました。
ところが大会の格がATP500からATP250に下がってしまったので、
優勝したにもかかわらずランキングポイントは250下がってしまったわけです。
そのスパイラルを乗り越えて、さらにポイントを積み上げて上位を目指していくわけです。
今日はこのくらいで。
次の機会では、1年のツアーの流れ、なんかを書いてみようかと思います。
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