アクアブルーの少女 その2
「ったく、なんでこうなるんだよぉ」
「仕方ないじゃない。あいつがああなんだから」
次の日の放課後、智子と話し合いをしようとした岡田と浩之だったが、智子のいつものそっけない態度に岡田が怒り出し、なんとか浩之がその場を収め、今教室には浩之と岡田の2人だけが残っていた。
「は〜あ、お前と委員長が直接話し合いをするってのは無理だな」
「悪かったわねぇ」
「じゃあ、明日にでも俺が委員長によろしく言っといてやるよ」
「………」
「さてと、じゃあ帰るとするか」
浩之は鞄を肩に掛け教室を出ていこうとする。
「ねえ、藤田君…」
「ん? どうした?」
「どうしてあたしと保科さんのことに構ってくれるの?」
「どうしてだろうな。なんとなくかな」
「…そう…なんとなく…」
「まあな。こういうのをほっとけないのは俺の悪い癖だ」
「…なるほど…吉井が好きになるわけだ…」
「ん? なんか言ったか?」
「ううん。別になんでもない」
「そうか。じゃあ俺は帰るけど、岡田はどうする?」
「うん。もう少しここにいる…」
「そうか。じゃあな」
浩之が教室を出ていってしまってから、昇降口ぐらいまで一緒に行ってもよかったかな、と岡田は思っていた。